難しいは、楽しい
玉露を有機栽培で育てることは難しい、と一般に言われています。
その理由は肥料にあります。 お茶の旨みは肥料によることが大きく、特に玉露はより多くの肥料を必要とします。
化学肥料は茶樹が吸いやすいように作られているため、旨み豊かなお茶に仕上げてくれますが、有機肥料の場合、化学肥料ほど即効性がないため、旨み豊かな玉露を育てるには工夫が必要です。
まずは土づくり。 茶樹がのびのびと根を伸ばせる環境を整えること。
そしてミネラル。 茶樹も人間と同じで、代謝をすることで成長し、生命を維持します。代謝を促すには酵素の働きが必要で、酵素の働きにはミネラルが必要です。 茶樹が自力で養分を吸収し、健やかな茶葉を育むにはミネラルが必要だと感じた坂元さんは、肥料もすべて手作りで作ることにしました。
穀物、国内産菜種の油粕、黒酢もろみ、枕崎産鰹のアミノ酸、そして鹿児島の地層から出るミネラルを混ぜて発酵させた独自のボカシ肥料。
有機肥料が茶樹に吸収されるのが遅い理由は、茶樹が吸収しやすいレベルに分解されるまで時間がかかることが理由。ならば、肥料を作る段階で発酵させて分解したらいいと。
茶樹が自らの力で吸収できるように環境を整え、吸収しやすくした有機肥料を与える。
手間も時間もかかりますが、そこにやりがいと楽しさを感じると坂元さん。
兄弟2人で同じ方向を見ながら、毎年常に進化していくお茶づくりを行っています。
薩摩有機玉露「薫風自南来」は2018年新茶よりオンラインショップと通信販売限定で販売を行います。今のところ店頭での販売は予定しておりません。 新茶ご予約は3月下旬より承ります。